東京地方裁判所 平成3年(ワ)1609号 判決 1991年9月27日
原告 株式会社ニュートピアハウジング
右代表者代表取締役 宮田健一
右訴訟代理人弁護士 菊地一夫
被告 株式会社キャピタルリース
右代表者代表取締役 中込鶴久
右訴訟代理人弁護士 菊地裕太郎
高岡信男
主文
原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
理由
一 請求原因1、同2の(一)ないし(三)及び同3の各事実は、当事者間に争いがない。
二 ところで、原告は、金銭消費貸借の借主が弁済期までの利息を一括前払いした場合において、期限の利益を喪失したときは、利息支払済み期限の翌日、すなわち当初の弁済期の翌日から約定利率による遅延損害金を計算すべきである旨主張するが、遅延損害金は元本債務が履行遅滞に陥ることによって発生するものであり、このことは、弁済期までの利息が一括前払いされた場合において、借主が特約により期限の利益を喪失することによって元本債務が履行遅滞に陥ったときであっても、理を異にするものではないから、右主張は採用することができない。そうすると、本件貸金につき、期限の利益の喪失によって元本五〇〇〇万円が履行遅滞に陥った日の翌日である平成二年一月三一日から配当期日である平成三年二月七日まで(三七三日)の約定利率年一四パーセントの割合による遅延損害金を七一五万三四二四円と算定した上、既払利息金三二七万二八七六円のうち、期限の利益を喪失した日の翌日である平成二年一月三一日から利息支払済み期限である平成二年一〇月五日まで(二四八日)の利息金相当分二二四万二一九一円を右損害金に内入充当した結果、被告が配当を受けるべき未払損害金は四九一万一二三三円であるとして作成された本件配当表には、原告主張のような過誤がないことは明らかである。
三 よって、原告の本訴請求は理由がないからこれを棄却し、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条を適用して、主文のとおり判決
(裁判官 篠原勝美)